【行政書士が解説】補助金で不採択になる理由まとめ 『事業計画で差をつけるべし!』

当コラムをご覧いただき、まことにありがとうございます。
弊所は静岡県浜松市に事務所を置く行政書士事務所になります。
弊所では、これから起業する方や起業して間もない方向けの創業支援サポートを中心に、ビジネスサポートを得意としております。
さて、本日のテーマは【補助金で不採択となる理由】についてです。
春と言えば補助金の公募がたくさん始まるシーズン。
これを期に補助金を活用してビジネスを拡大したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
補助金とは国や地方自治体が主体となって行う政策であり、審査を経て返済不要のお金を提供し、ビジネス拡大などをサポートしてくれる制度です。
補助金をうまく活用することにより、低コストで大きなビジネス投資ができることもあり、ビジネス拡大・事業所成長の強い味方です。
とはいえ、補助金は申請をすれば必ずもらえるわけではありません。
事業者が申請した内容を補助金事務局が審査し、内容が認められれば採択されるという仕組みです。
採択率としては補助金の種類によって差がありますが、概ね3割~6割程度となっています。
つまり10人が応募したとしても半分~3分の2は審査に通らず不採択となってしまうわけです。
では、補助金申請をして採択される事業者と不採択となってしまう事業者の違いは何なのでしょうか?
その答えは≪事業計画≫にあります。
今回のコラムでは、補助金の審査に落ちやすい事業計画についてお話ししていきたいと思います。
補助金が不採択になる理由5選

〜採択される事業計画との決定的な違いとは〜
補助金申請において、「しっかり準備したのに不採択だった」というケースは珍しくありません。
特にものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金のような競争型補助金では、“一定以上の完成度”が前提となり、その上で他社と比較されます。
つまり、「悪くない計画」ではなく「明確に優れている計画」でなければ採択されません。
ここでは、不採択となる典型的な5つの原因を、実務レベルで解説します。
① 事業の「新規性」が弱い
【新しいつもり】が一番危険!
補助金の審査において競合他社との差別化は重要なポイントです。そして、差別化として分かりやすいポイントとしては【事業の新規性】、【斬新さ】などが挙げられます。
これらを補助事業に盛り込むことで事業計画の評価は上がるのですが……
補助金審査における新規性は、『自社にとって新しい』だけでは不十分です。
審査員は基本的に以下の3つの視点で見ています。
- 市場における新規性(既に一般的ではないか)
- 自社における新規性(単なる延長ではないか)
- 付加価値の新規性(どんな価値が新しく生まれるのか)
よくある不採択パターンは、
- 「新しい設備を導入する=新規性がある」と誤解している
- 単なる効率化・更新に留まっている
- 他社との差別化が説明されていない
といったケースです。
実務上の重要ポイント
「その取り組みによって“何が変わるのか”」を具体的に言語化することが必要です。
例えば単なる設備導入でも、
- 従来不可能だった加工が可能になる
- 新市場への参入が可能になる
- 提供価値が変わる
といった“変化”まで落とし込めているかが評価を分けます。
② 数値計画に説得力がない
【それっぽい数字】は一瞬で見抜かれる
審査員は、数多くの事業計画を見ています。当たり前ではありますが、審査員は事業計画審査のプロフェッショナルです。
そのため『雰囲気で作った数字』、『辻褄だけを合わせた数字』はすぐに見抜かれます。
特にチェックされているポイントは以下です。
- 売上の構成要素(単価×数量)が説明されているか
- 既存実績と乖離しすぎていないか
- 設備投資と売上増加の関係が合理的か
- 回収可能性(投資対効果)があるか
よくあるNG例:
- 「売上が3年で2倍になる」と書いているが根拠がない
- 市場規模の説明がなく、実現性が不明
- 稼働率や受注見込みが曖昧
実務上の重要ポイント
数字は「積み上げ」で作ることが必須です。
例:
売上 = 客単価 × 月間顧客数 × 稼働率
更に客単価の算出根拠、月間客数の算出根拠、稼働率の算出根拠も全て競合他社や市場の分析を行ったうえで現実的な数字を出す必要があります。
このレベルまで分解し、「なぜその数字になるのか」を全て明確に説明できる状態にする必要があります。
文字だけでは説明しにくい場合には、図やグラフなどを用いても良いでしょう。
とにかく、数字の根拠を誰が見てもわかりやすく具体的に示す必要があります。
③ ターゲット・市場分析が甘い
【誰に売るか】が曖昧な計画は通らない
審査では、「この事業が本当に売れるのか」が厳しく見られます。
その判断材料になるのが、ターゲット設定と市場分析です。
不採択になりやすいケースは以下です。
- ターゲットが広すぎる(例:全国の中小企業)
- 顧客の課題が具体的に描かれていない
- ニーズの裏付け(データ・実績)がない
- 競合との差別化が曖昧
実務上の重要ポイント
重要なのは「解像度」です。
- どの業種の
- どの規模の
- どんな課題を持つ企業(または個人)に対して
- なぜ選ばれるのか
ここまで具体化されて初めて、説得力が生まれます。
さらに一歩踏み込むなら、
「既存顧客の声」「テスト販売の結果」などを入れると一気に評価が上がります。
ターゲット設定や市場分析が必要になるのは、なにも補助金の事業計画書だけではありません。普段のビジネスの中でも『市場がどのような状況か』、『だから誰に対して売りたいのか』、『するとどうなるのか』といった予測は立てているはずです。
その内容をベースにし、補助金の事業計画用に調整してみましょう。
④ 補助金の趣旨とズレている
【いい事業】でも落ちる最大の理由
補助金はあくまで「政策目的に沿った事業」を支援する制度です。補助金を提供する側である国や地方自治体にはなにかしらの思惑があります。
そのため、どれだけ優れたビジネスでも、国や地方自治体などの思惑から外れた内容や趣旨がことなる事業計画で申請した場合には全く評価されません。
例えばものづくり補助金では、
- 生産性向上
- 革新性
- 付加価値額の向上
などが重要な評価軸になります。
ここが弱いと、
- 単なる売上拡大計画
- 既存事業の横展開
と見なされ、評価が伸びません。
また、小規模事業者持続化補助金では、
- 販路拡大
- 生産性向上
- 新規顧客の開拓
などが制度趣旨となります。これに対して、
- 販路拡大に繋がらない単なる設備投資
- 競合他社と差別化の計れない事業
- 単なる会社の宣伝
などでは国の思惑から外れるため評価を得にくくなります。
実務上の重要ポイント
「この事業が政策目的にどう貢献するか」を明確に書くこと。
単に事業説明をするのではなく、
“審査項目に対する回答”として構成することが重要です。
⑤ ストーリーがつながっていない
部分的に良くても全体が崩れると落ちる
補助金の事業計画において重要なのはストーリー性です。
『自社の概要、強み、弱み、市場の動向、問題点、解決方法、主要ターゲット、売上予測、これらを元にして〇〇といった内容を達成するためにこの補助事業をやりたい。そのためにはこの設備投資が必要であるため補助金が必要である』
といった形で最初から最後まで一貫した内容にし、それを解決するために今回の補助事業を実施したいといった流れで全ての項目を繋げる必要があります。
非常に多いのが、「各パーツは良いのに全体として整合性がない」ケースです。
例えば、
- 課題が弱いのに大きな投資をしている
- 導入設備と売上増加の関係が不明
- 数値計画と施策が一致していない
といった状態です。
審査員から見ると、「本当に必要な投資なのか?」という疑問につながります。
実務上の重要ポイント
事業計画はストーリーです。
基本構成は以下の通り:
- 現状の課題
- 課題の原因
- 解決策(今回の事業)
- なぜこの設備・投資が必要か
- 実施後の成果(数値)
この流れが一本の線でつながっているかが極めて重要です
まとめ

補助金は人間が審査しているため、その内容には審査員によって多少の差があります。そのため、今回のコラムで触れた内容を書くと必ず落ちるというわけではありませんが、評価としては得られにくいかと思います。
そして、逆を言えば、今回のコラムの内容をしっかりと意識して事業計画を作成すれば、評価は高まり採択に大きく近づいていきます。
補助金申請において大事な事業計画。しっかりと時間を掛けて「審査員が納得できるかどうか」を意識しながら内容を練って作成するようにしましょう。
採択される事業計画は、
- 新規性が明確で
- 数値に論理があり
- 市場理解が深く
- 制度趣旨に合致し
- 全体が一貫している
という特徴を持っています。
といっても補助事業の事業計画の作成には膨大な時間を要します。また、事業計画の慣れていない方ですとコツが分かっていても上手く書くことはできません。
そして、補助金申請には事業計画書の他にも多数の添付資料の収集及び作成が必要になってきます。
せっかくビジネス成長のために補助金を申請するのに、補助金申請によって本業がおろそかになってしまっては本末転倒です。
そんな場合は、補助金申請のプロである行政書士に補助金申請のサポートを依頼してみるのも一つの手です!
行政書士事務所オータムでは、創業支援・企業支援の専門家として補助金申請のサポートも行っております。
弊所では、補助金申請をしたい事業者様に寄り添って伴走的に事業計画を作成していきます。
事業者様自身でも補助事業の内容をしっかりと考え、自社や市場の状況を分析し、数字の根拠を示せるようになることで今後の事業にも生かせるようになっていきます。
弊所は静岡県浜松市で営業を行う行政書士事務所になります。
数ある行政書士業務の中でもビジネスサポートをメイン業務としており、事業者様がビジネスを成長させるサポートを得意としております。
営業に必要な各種許認可の取得、届出、補助金申請サポート、契約書等々、ビジネスでお困りの際にはお気軽にお問合せください。
弊所の主な取扱い業務は下記になります。
取り扱い業務 ※取り扱い業務一覧に無い業務でも受任可能な場合がございます。まずはお問合せください。
お問い合わせはこちらから
小規模事業者持続化補助金に関するコラムは下記になります。
【行政書士が解説】第19回 小規模事業者持続化補助金の受付が始まります!
【行政書士が解説】持続化補助金の採択通知を受けた後にやることは?
ものづくり補助金に関するコラムは下記になります。


“【行政書士が解説】補助金で不採択になる理由まとめ 『事業計画で差をつけるべし!』” に対して1件のコメントがあります。