【行政書士が解説】流行りの『よもぎ蒸し』実は営業許可が必要かも!?

当コラムを見て頂き、ありがとうございます。静岡県浜松市で営業をしております、行政書士事務所オータム 行政書士の春田と申します。
弊所では飲食店や美容室、エステサロン等、新規で事業を始める方のサポートを得意としております。
さて、本日のコラムのテーマは【よもぎ蒸しの許可】についてです。
近年、日本でも流行り始めてきたよもぎ蒸し。エステサロン店などでもよもぎ蒸しのサービスを取り扱っている店舗が徐々に増えてきている印象です。
徐々に人気が高まってきており、設備の導入コストも低いよもぎ蒸しを今後導入したいと考えているサロン経営者の方も多いかと思います。
そこで気になってくるのが営業許可ではないでしょうか。
本日は、行政書士がよもぎ蒸し事業を始めるための許可について解説していきたいと思います。ぜひ最後までご覧いただければと思います。
よもぎ蒸しとは?
よもぎ蒸しは、よもぎや薬草を煮出した蒸気を下半身から浴びる温浴療法です。専用の椅子に座り、マントを被って身体全体を包み、蒸気を膣や肛門などの粘膜部分から吸収させることで、身体を芯から温めます。
本場・韓国では「韓方座浴(ハンバンジャヨク)」とも呼ばれ、主に産後ケアや婦人科系のトラブル改善に利用されてきた伝統療法です。
よもぎ蒸しのルーツは、数百年前の韓国の民間療法にさかのぼります。当初は産後の女性の体を癒やすためのケアとして広まりました。韓方(韓国の伝統医学)では、よもぎには「浄血・殺菌・保温」の効果があるとされ、子宮の回復や下腹部の冷え改善に重宝されてきました。
現代では、美容や体質改善の手段としても注目され、2000年代以降は日本にも広がりを見せ、エステサロンや温活サロンで導入されるようになりました。
よもぎ蒸しの効果
よもぎ蒸しはあくまで民間療法であり、医学的効果が証明されているわけではありませんが、以下のような効果が期待されていると言われています。
- 冷え性の改善
- 生理痛・PMS・更年期症状の緩和
- デトックス(発汗による老廃物排出)
- 肌質改善、リラックス効果
- 妊活・体質改善の一環として
特によもぎの持つ香り成分や抗菌作用も、心身のリフレッシュにつながるとされています。
よもぎ蒸しに営業許可は必要?

よもぎ蒸し事業を行うために営業許可が必要かどうか……これについては地方自治体によって異なります。
よもぎ蒸しは体を蒸し、発汗させることからサウナに近いものです。
ですので、公衆浴場法が定める公衆浴場業許可(その他の公衆浴場)を取得しなくてはいけない可能性があります。
ただし、よもぎ蒸しが日本で流行り始めたのは割と最近であり、まだ法整備や解釈が広まっていないこともあって、よもぎ蒸しが公衆浴場業に該当するかどうかの判断は各自治体に委ねられているのが現状です。
ちなみに、弊所がある静岡県浜松市では、よもぎ蒸しの営業を行うためには公衆浴場業許可(その他の公衆浴場)を取得する必要があります。
当然ですが、公衆浴場業の許可が必要な地域で許可を取らずによもぎ蒸しの営業を行った場合には、無許可営業として罰せられます。
これからよもぎ蒸し事業を始めたいと考えている方は、まず店舗を出す地域で公衆浴場業の許可が必要であるかしらべましょう。
もし不安な場合には、保健所に問い合わせをしてみるか、許認可申請や行政手続きの専門家である行政書士に必ず相談を行うようにしましょう。
公衆浴場業の許可とは?
温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設のことを『公衆浴場』といいます。
これを業として公衆浴場を経営しようとする者は、保健所から許可を受ける必要があります。
※スーパー銭湯、スポーツジム等に併設された浴場、よもぎ蒸し、酵素風呂、ハーブテント、テントサウナ等が該当します。
公衆浴場業許可(その他の公衆浴場)の構造設備基準
ここからは公衆浴場許可を申請するための構造設備基準を書いていきます。これらの基準を全てクリアしていないと営業許可はおりません。
許可申請したい店舗がすべての要件をクリアしているか必ず確認を行うようにしてください。
なお、公衆浴場業許可は大きく分けて【一般】と【その他】の2種類ありますが、今回はよもぎ蒸しが該当する【その他】について解説をしていきます。

①設備
▢ねずみや害虫等々、不衛生な生き物の侵入を防ぐ設備を設ける必要があります。
②浴室
▢浴室を設ける場合には、男性用と女性用をしっかりと分け、壁などで区画を分ける必要があります。ただし、貸し切り風呂や水着着用を義務化するお風呂である場合には混浴が認められています。
▢外部から浴室が見えない構造である必要があります。ただし、水着の着用が義務であるお風呂であれば外部から見えても問題ありません。
▢十分な換気が出来る構造でなくてはいけません。
▢お客さんが使える場所にお湯と水が出るシャワーを設置する必要があります。
▢シャワーから出る水又はお湯が飲み水でない場合には『シャワーの水は飲めません』等の表示をする必要があります。
▢洗い場の床面から浴槽の上縁までの高さは、5cm以上にしなくてはいけません。
③脱衣場
▢脱衣所は男性用、女性用としっかりと区画分けする必要があります。ただし、貸し切り風呂の場合は脱衣所を分けなくても問題ありません。
▢脱衣所が外部から見えない構造にする必要があります。
▢衣類かご等を設置する必要があります。
▢十分に換気ができる構造である必要があります。
▢脱衣所などの見やすい場所に入浴上の注意を掲示しなくてはいけません。
④飲料水設備
▢入浴者の利用しやすい位置に飲料水を提供する設備(給水機やウォーターサーバー等)を設置しなくてはいけません。
⑤トイレ
▢入浴者の利用しやすい位置に手洗い場を備えたトイレを設置しなくてはいけません。
⑥サウナ室を設置する場合
▢男性用、女性用をしっかりと区画分けする必要があります。ただし、貸し切りサウナや水着等の衣類を着用が義務化されている場合には混浴も可能です。
▢出入り口の扉に室内全体を見通せる窓を設ける必要があります。
▢室内の換気を十分に行うことができる構造である必要があります。
▢室内の見やすい位置に非常用のブザー等の設備を設置する必要があります。
▢室内の見やすい位置にサウナ利用上の注意を掲示する必要があります。
⑦打たせ湯又はシャワーを設置する場合
▢循環しているお湯又は水を使用しない構造である必要があります。
⑧気泡発生装置等を設置する場合
▢気泡発生装置等の空気の取り入れ口からゴミや土埃などが侵入しない構造でなくてはいけません。
⑨屋外に浴槽を設置する場合
▢屋外の浴槽水が屋内の浴槽水に混入しないような構造でなくてはいけません。
⑩循環式浴槽を設置する場合であって、ろ過器を設置する場合
▢ろ過器は、砂式ろ過器(ろ過タンク内に、粒子の大きさ又は比重の異なる天然砂等のろ材を積層して温水又は水をろ過する方式のろ過器をいう。)で、
1時間当たりのろ過能力が浴槽の容量以上であるもの、なおかつ、ろ材には十分な逆洗浄を行うことができるものを使用したものとする必要があります。
▢集毛器を設置すること。この場合において、循環している温水又は水がろ過器内に入る前に設けられる構造とすること。
▢浴槽水の消毒装置を設置すること。この場合において、循環している温水又は水がろ過器内に入る直前に消毒に用いる薬剤が注入される構造とすること。
▢浴槽水の補給口は、浴槽の底部に近い部分に接続する構造のもの又は微小な水粒の発生を防止する構造のものとすること。
▢循環している温水又は水を誤って飲用するおそれがある場合にあっては、誤って飲用することを防止するための注意を掲示すること。
公衆浴場業許可申請に必要な書類
・公衆浴場業許可申請書
・公衆浴場の配置図および平面図
・公衆浴場周辺の案内図
・使用する土地又は建物が他人の所有物である場合には、賃貸借契約書の写し又は承諾書
・定款(申請者が法人の場合)
・登記事項証明書(申請者が法人の場合)
・配管図(循環式浴槽を設置する場合)
・給水使用証明書(水道水を使用する場合)
・水質検査成績書(水道水以外を使用する場合)
・温泉の含有物質又は医薬品等の名称・成分・用法・用量及び効能を付記した書類(温泉又は医薬品等を原料とした薬湯を使用する場合)
※上記の他にも、消防法令によって義務付けられている届出等の書類の写しが求められる場合があります。
申請手数料
申請手数料は各地域により異なってきますので、管轄する保健所に確認しましょう。
静岡県浜松市では、公衆浴場業(その他の公衆浴場)許可申請手数料は22,000円となっています。
公衆浴場業許可申請の流れ
1
店舗物件の候補を選定する
まずは店舗物件の候補を探し、ある程度の目星をつけましょう。
2
公衆浴場業の許可が必要かを確認する
店舗の候補地が決まったら、その地域でよもぎ蒸し事業を始めるためには公衆浴場業の許可が必要かどうかの確認をしましょう。管轄する保健所に直接問い合わせるのが最も確実です。
3
候補物件が許可要件に適合しているか確認する
確認の結果、公衆浴場業の許可が必要となった場合には、候補物件が公衆浴場業許可の要件に適合しているかを確認しましょう。ここをおろそかにしてしまうと、許可要件を満たすために大規模な改修が必要になってきたり、最悪の場合には要件を満たすことが出来ずに許可が取れないといった事態に陥る可能性もあります。
4
事前相談
候補物件の平面図や設備等を設置する場所を構想した図面、設置設備をリストアップした書類等々の作成し、その他にもできる限りの資料を持参して管轄する保健所へ必ず事前相談にいきましょう。自分では見落としていた点などを指摘してもらえる可能性があります。(※事前相談を行う場合には予約することをお勧めします)
5
店舗物件を契約
保健所への事前相談の結果、申請にあたって問題がないことが確認されてから初めて店舗物件の契約に移ります。
6
内装工事
店舗の契約後、内装工事を行うかと思います。この際、間取り等の変更によって許可要件を満たさなくならないように注意をしましょう。事前に保健所へ相談した内容と異なる工事を行う場合には、再度保健所へ確認しておくと安心です。
7
必要書類の収集、作成
内装工事と同時進行で許可申請に必要な書類の収集及び作成を進めましょう。必要書類の数は多く、専門性の高い者も含まれています。特に配置図及び平面図の作成は、慣れていない方ですと非常に時間が掛ってしまいます。なるべく早めに動きましょう。
8
申請(申請手数料の支払い)・検査日の決定
全ての工事が終わり、申請書類も全て集まったら管轄する保健所へ【公衆浴場業許可(その他の公衆浴場)】申請を行い、手数料を納付します。それと同タイミングで現地調査の日程を決めましょう。
9
現地調査
保健所の担当者が実際の店舗まで現地に訪れて設備等が申請書通りかどうかの検査を行います。
10
許可証の発行or再検査
現地調査の結果、問題が無ければ公衆浴場業許可書が発行されます。不備があった場合には後日、再検査となります。
まとめ
近年流行りつつあるよもぎ蒸しは各地方自治体によって解釈が少しずつ異なり、営業を行うための許可が必要かどうかに差異があります。
現在、よもぎ蒸しの営業を行っていて許可取りをしていない方やこれからよもぎ蒸し事業を始めたいと考えている方は必ず事前に管轄する保健所に許可の必要性の確認を行うようにしてください。
公衆浴場業の許可は複雑な法令知識を理解する必要があり、専門性の高い書類の提出も必要となってきます。また申請手続きも煩雑であるため、厄介に感じる方も多いかと思います。
とはいえ、無許可で営業することは絶対にやめましょう。
ご自身での許可申請に少しでも不安がある方は、行政手続きや許認可申請の専門家である行政書士に相談しましょう。
行政書士は許認可申請の専門家として、全力でみなさんの事業のお手伝いをします。
行政書士事務所オータムは静岡県浜松市にて営業をしている行政書士事務所です。
弊所では個人事業主や法人の創業支援をメイン業務としており、飲食店営業許可や菓子製造業許可はもちろん、風俗営業許可、美容所・理容所の開設、会社の設立、公庫の融資サポート、補助金申請等々、幅広くビジネスをサポートしております。
また、開業後も『ビジネスの長期的なパートナー』として事業者の方とその事業を支え続けます。
飲食店や製菓店、美容所等の新規開業、新たな許認可の取得、資金調達、法人化などなどビジネスでお困りのことがある際には、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらから
静岡県浜松市『公衆浴場業の手引き』⇒kousyuyokujo_tebiki.pdf
静岡県浜松市『公衆浴場法施行条例』⇒kousyuyokujojourei_231001.pdf
静岡県浜松市『公衆浴場法に関する要綱』⇒kousyuyokujo_youkou.pdf

