【行政書士が解説】自動販売機による営業の許可・届出について

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静岡県浜松市を拠点とする、行政書士事務所オータムでは飲食店営業許可、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出、風俗営業許可、特定遊興飲食店営業許可等々を得意としております。
さて、今回のコラムの内容は【自動販売機による営業の許可・届出について】についてになります。
無人販売の代名詞ともいえる自動販売機。街の至る所に設置されており、『ちょっと喉が渇いた』などといった場合には非常に便利で我々の生活の助けとなってくれています。
最もポピュラーな販売物はコーヒーやジュース、ミネラルウォーターといった飲料物ですが、近年では、お菓子やパン・サンドイッチ・おにぎり等々、様々なものが自動販売されています。
もともと、調理機能が備わっている自動販売機は飲食店営業許可や喫茶店営業許可として扱われていました。
しかし、令和3年6月の食品衛生法の改正により、自動販売機は独立した許可届出として扱われるようになりました。
許可届出申請先は、飲食店営業許可と同様に管轄する保健所になります。
今回は、飲食店関連の許認可を得意とする行政書士が自動販売機での営業に関する許認可届出について解説をしていきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
※当コラムは静岡県浜松市の基準をもとに解説を行います。許可届出の基準や要件、必要書類等は各地域の条例により異なる場合がありますので、ご注意ください。
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許可届出が不要な自動販売機
飲食物を販売する自動販売機であっても、許可や届出がいらないものがあります。
それは、缶ジュース、カップ麺、お菓子等の『調理機能のない自動販売機+常温で長期保存できる食品』を販売する場合です。
これらの商品は販売する時点で既に食品衛生法で定める基準を満たしているため、新たな手続きが不要とされています。
ただ、単純にジュースならOK、お菓子ならOK、というわけではない点にご注意ください。
例えば、目の前で果物を絞る等の調理機能がある自動販売機や賞味期限が数日しかない手作りのお菓子を販売する場合等は該当しません。
調理機能が無く、常温で長期間保存できる食品という両方の基準を満たしている商品に限ります。
自動販売したい商品がこれらに該当するかどうか、判断に迷う場合には管轄する保健所に確認を取ることが大事です。
調理機能のない自動販売機
調理機能のない自動販売機とは、自動販売機内部の商品をそのまま提供するタイプのものです。代表的なものでいえば缶ジュースの自動販売機などがあります。
先述したように缶ジュースのような常温で長期保存できるものであれば許可・届出は不要なのですが、調理機能のない自動販売機でも届出が必要な食品があります。
冷蔵品・冷凍品
調理機能が無い自動販売機でも、冷蔵品や冷凍品を提供する場合には保健所に対して営業届出を行う必要があります。
具体的な例で言うと、ビンやパックに入った牛乳等の自動販売機やサンドイッチの自動販売機、冷凍食品の自動販売機などの常温販売ができない食品を提供する自動販売機が該当します。
保存期間が短い食品
常温保存できる食品であったとしても、賞味期限の短い食品を販売する場合には届出を営業届出を行わなくてはいけません。
例を挙げると、パンや手作りのお菓子などがあります。
『賞味期限が何日以内の食品が該当する』といった具体的な規定はないため、判断に迷う場合には管轄する保健所に確認を行う方が良いでしょう。
調理機能を備えている自動販売機
高速道路のSAや大型ショッピングモール内などで自動販売機内に調理機能が備わっている自動販売機を見かける機会が増えてきました。
調理機能とは、ただ単に食品を受け渡しするのではなく、自動販売機内で原材料を加工したり、内部で食品を温めたりする機能を指します。
代表的な例でいえば、
◆コーヒーをカップ販売する自動販売機
◆オレンジなどの果物を内部で絞って生ジュースとして提供する自動販売機
◆内部でうどんやそばなどを調理してカップで提供する自動販売機
◆個包装されたホットサンドや焼きおにぎり等を温めてから提供する自動販売機
などが該当します。
調理機能がある自動販売機は基本的に、許可又は届出が必要になります。
必要になってくるのが許可か届出かの違いについては、『個包装されている食品の調理か否か』や『設置場所が屋内か屋外か』などによって変わっていきます。
水・氷の量り売り
スーパーなどでよく見かける水や氷(水のみを原料とするもの)を販売する自動販売機について、自動販売機の規格を満たしたものであれば届出を行う必要があります。
食品が機械・部品等に接触しているかどうか
調理機能付き自動販売機を設置するにあたって必要になるのが許可か届出かの判断基準の一つとして、『食品が機械・部品等に接触しているかどうか』というものがあります。
『食品が機械・部品等に接触しているかどうか』というと少し分かりにくいですが、簡単に言えば『食品が個包装されたまま販売されるかどうか』ということになります。これは、食品が自動販売機内部の機械に直接触れることによる衛生面リスクを懸念するものであり、包装されたまま提供されるのであれば、リスクは低いということで営業届出で良しとされるわけです。
調理機能を有している自動販売機でかつ個包装されている食品の代表例としては、『加熱して袋のまま冷凍食品を提供する』、『ホットサンドを加熱して包装されたまま提供する』などがあります。
袋に入ったまま提供するという点が重要になってきます。
自動販売機が高度な機能を有しているかどうか
次の判断基準となるのが”自動販売機の調理機能が高度かどうか”になります。
ただ、自動販売機の調理機能が高度かどうかなんて知らないよ!というお声もあるかと思いますが、ご安心ください。
自治体が高度な機能を有している自動販売機のリストを公開しています。
こちらから高度な機能を有している自動販売機の一覧を確認することができます。
高度な機能を有していない(一覧に載っていない)調理機能付き自動販売機で食品の提供を行う場合には、管轄する保健所から営業許可を取得する必要があります。
レトロ自販機でうどんやそばといった食品を提供する場合などが該当します。
高度な機能を有している自動販売機
先述したリストに載っている”高度な機能を有している自動販売機”で食品を調理して提供する場合、その自動販売機を設置する場所によって必要な手続きが許可なのか届出なのかが変わってきます。
設置場所が屋内
調理機能付きで、かつ、高度な機能を有している自動販売機を屋内に設置する場合には、管轄する保健所へ営業届出を行う必要があります。
ここでいう【屋内】とは、柱、壁、屋根を有する建築物のことを指す点には注意が必要です。
ただ単に屋根があるだけの建造物の下に置いただけでは屋内として認められません。
設置場所が屋外
調理機能付きで、かつ、高度な機能を有している自動販売機を屋外に設置する場合には、管轄する保健所から営業許可を取得する必要があります。
これは、屋内に設置するよりも屋外に設置する方が衛生面でのリスクが高いからになります。
なお、先述した通り、ただ屋根があるだけの建造物の下に調理付き自動販売機を設置する場合には、屋外として扱われるため、営業許可の取得が必要となります。
調理機能のない自動販売機

自動販売機による営業の許可・届出について/浜松市 から画像引用
調理機能を有する自動販売機

自動販売機による営業の許可・届出について/浜松市 から画像引用
食品衛生責任者の資格が必要
営業許可取得・営業届出の必要がある自動販売機の設置には【食品衛生責任者】の資格が必要です。こちらは飲食店営業許可を取得する際にも、1店舗に1人配置することが義務化されている資格になりますが、自動販売機の設置の際にも必要となってきます。
調理師、製菓衛生士、栄養士、船舶料理士、と畜場法に規定する衛生管理責任者又は作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者等の有資格者が食品衛生責任となることができます。
とはいえ、これらの資格を持っている人は少なく、これから取得しようとしても時間が掛ってしまいます。
でもご安心ください。
上記の資格を持っていなくても、資格者養成講習会を受講することにより、誰でも食品衛生責任者の資格を取得することが可能です。
資格者養成講習会は、管轄の保健所もしくは食品衛生協会が定期的に開催しており、約6時間の講習で受講料は10,000円前後(地域によって差あり)と手軽に取得することができます。
近年ではe-ラーニング形式で24時間受講できる自治体もあり、取得がより容易になっています。
自動販売機の設置基準
自動販売機には安全に運用するための設置基準が定められています。
食品の自動販売機に係る施設基準ガイドライン
食品の自動販売機に係る施設基準ガイドラインについてー厚生労働省
飲食店営業、喫茶店営業、乳類販売業及び氷雪製造業
1 設置場所は清潔であって衛生管理が十分行き届く場所であること。
2 設置場所は屋内であること。ただし、ひさし、屋根等で雨水を防止できる場合にあっては、この限りでない。
3 設置場所は使用目的に応じて適当な広さを有していること。
4 設置場所の床面はコンクリート、その他の不浸透性、かつ、堅ろうな材質を用い、清掃が容易な構造であること。
5 設置場所には適当な廃棄物容器を設けること。
6 設置場所には十分な照明設備及び有効な換気設備を設けること。
7 設置場所には飲用適の水を十分供給できる設備を設けること。(乳類販売業を除く。)
8 設置場所には適当な排水設備を設けること。(乳類販売業を除く。)
当然ですが、ご自身に使用権原のない土地に自動販売機を設置することはできません。
また、場所によっては道路交通法の規制を受けて設置できない場所等もあるため注意が必要です。
自動販売機の営業許可について
自動販売機によって営業を行う際に許可が必要になる場合について解説していきたいと思います。
なお、今回は自動販売機の営業許可についての解説になります。販売する商品によって別途許可が必要になるものがありますのでご注意ください。
自動販売機設置許可申請の必要書類
□必要書類□
・営業許可申請書
・施設の構造、設備を示す図面(平面図)
・営業所周辺の案内図
・食品衛生責任者の資格を証するもの
・登記事項証明書(法人が申請する場合のみ)
自動販売機で営業許可を取得する際には上記の書類提出が必要となります。
これらの必要書類は、新規で飲食店営業許可を取得する際に求められるものとほぼ同程度の内容になるため、自動販売機の営業許可取得が大変であることが分かるかと思います。
自動販売機設置許可取得の手順
1
事前相談
自動販売機の設置場所、販売する商品等が決まったら管轄する保健所へ事前相談にいきましょう。思わぬ事態による損失のリスクを減らすことができます。
2
自動販売機の設置
事前相談の結果、問題がないようであれば、実際に自動販売機の設置を行いましょう。
3
申請書類の作成
自動販売機の設置と並行して、営業許可申請に必要な書類の作成を行いましょう。特に平面図などは慣れていないと作成に時間が掛ってしまうため、なるべく早くから着手することが望ましいです。また、もし食品衛生管理者の資格を持っていないのであれば、この段階で取得しておきましょう。
4
申請書類の提出
作成した書類の提出を行いましょう。提出時に申請手数料9,600円(自治体により異なる)を支払います。
5
立ち合い検査
保健所の担当者が実際に自動販売機が設置されている場所に訪れ、申請内容と現物が異なっていないか、設置基準を満たしているか等をチェックします。
その際には、申請者が立ち合ってください。
6
許可証の交付
立ち合い検査で問題がなければ営業許可証が交付されます。許可証と同時に許可済証(ステッカー)も交付されるため、当該自動販売機に貼り付けをします。
まとめ
多種多様な自動販売機がありますが、その販売形態や販売場所によって必要になってくる許可・届出が異なってきます。
法令を遵守するためにはこれらをしっかりと理解する必要があります。
とはいえ、難しい法律・政令・条例の理解、複雑な申請手続き、専門的な書類の作成、煩雑な役所とのやりとり……自動販売機で営業を始めるのに非常に負担を感じる方も多いかと思います。
そんな場合は、許認可申請の専門家である行政書士に依頼することをご検討ください!
行政書士は街の法律家として、そして行政とみなさまを繋ぐ架け橋としてスムーズな許認可取得をサポートします。
静岡県浜松市を拠点とする、行政書士事務所オータムでは飲食店営業許可の申請を得意としております。
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▢風俗営業許可
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▢日本政策金融公庫の創業融資サポート
▢補助金サポート
▢各種契約書の作成
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▢マーケティング相談
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