相互関税対策として公庫「セーフティネット貸付」の要件緩和が決定しました

トランプ政権の『相互関税』

2025年4月2日、トランプ大統領が【相互関税】に関する内容を発表しました。

アメリカに対する輸出品に対し、国ごとに一定の関税を上乗せするものです。

日本も例外ではなく、24%という大きな関税が課される見通しとなっています。

アメリカは日本の一番の貿易相手になります。

財務省の貿易統計によれば、昨年の日本からアメリカに輸出された品物の総額は21兆円以上であり、その中でも自動車や自動車部品、エンジンなど自動車関連の品目が8兆円以上となっており、全体の4割近くに上ります。

これら自動車関連の輸出品に対しては25%の関税が追加でかかることが既に発表されていました。

もともと自動車には2.5%の関税がかかっていたものが27.5%に。軽トラックなどには既に25%の関税がかかっていましたが、今回の追加関税で50%に。

自動車産業は日本の主力製品であり、輸出量も多いため、これらの関税が増えるとなれば、輸出コストの増加⇒輸出量の減少⇒生産の減少⇒賃金上昇鈍化や雇用の削減などといった流れが想像でき、景気の低迷に繋がることが予想できます。

「相互関税」が自動車関連企業を筆頭に、様々な企業にとって大きな痛手となってしまうのは間違いないでしょう。

ただ、トランプ政権が相互関税に関する方針転換を行う可能性もあるため、不透明な部分が多い内容となっています。

日本政策金融公庫『セーフティネット貸付』の要件緩和

日本政府は相互関税による景気の低迷対策や企業支援の一環として、日本政策金融公庫『セーフティネット貸付』の要件緩和を決定しました。

日本政策金融公庫とは、一般的に【公庫】とよばれており、株式会社でありながら100%日本政府が出資している金融機関です。

主には、起業支援や小中規模の事業支援を行っており、起業前や起業直後の実績の少ない段階でも比較的寛容に融資をしてくれるため、事業者の強い味方となってくれる機関です。

そんな公庫の融資の一つに『セーフティネット貸付』というものがあります。

セーフティネット貸付の概要について、以下、日本政策金融公庫のHPより抜粋します。

日本政策金融公庫

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
社会的、経済的環境の変化など外的要因により、一時的に、売上の減少など業況悪化を来しているが、中長期的には、その業況が回復し、かつ、発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援します。

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)|日本政策金融公庫

セーフティネットを利用できる人

社会的、経済的環境の変化など外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化を来しているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方で、次のいずれかに該当する方

  • 最近の決算期における売上高が前期または前々期に比し5%以上減少している方
  • 最近3ヵ月の売上高が前年同期または前々年同期に比し5%以上減少しており、かつ、今後も売上減少が見込まれる方
  • 最近の決算期における純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期に比し悪化している方
  • 最近の取引条件が回収条件の長期化または支払条件の短縮化などにより0.1ヵ月以上悪化している方
  • 社会的な要因による一時的な業況悪化により資金繰りに著しい支障を来している方または来すおそれのある方
  • 最近の決算期において、赤字幅が縮小したものの税引前損益または経常損益で損失を生じている方
  • 前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの利益準備金および任意積立金等の合計額を上回る繰越欠損金を有している方
  • 前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの債務償還年数が15年以上である方

セーフティネット貸付要件緩和の内容

政府がセーフティネット貸付の要件緩和について発表しましたが、それにより融資を受けられる事業者の幅が広がりました。

具体的には、『支援対象を自動車部品メーカー等、米国の自動車に対する関税引上げ等の影響を受ける事業者にまで拡大』となっており、直接輸出はしていなくても、輸出している業者の下請け製造などを請け負っている企業も貸付の対象となります。

また、これまでは『最近3ヶ月の売上高が前年同期または前々年同期に比べて5%以上減少等』というように具体的な数字での要件がありましたが、

                    ⇩

特別相談窓口が設置された事象による影響を受けた場合、数値要件を満たさずとも、資金繰りに著しい支障をきたしている又はきたすおそれがあれば対象

というような緩和措置が発表されました。

つまり、米国の関税引き上げにより(売り上げの減少など)資金繰りが厳しくなった又は厳しくなりそうな企業であれば、融資を受けることができるということです。

また、今回のコラムの趣旨である日本政策金融公庫のセーフティネット貸付とは少し外れてしまいますが、米国の関税による影響を受けた企業については、ものづくり補助金や新事業進出補助金の採択を優先的に行う旨も同時に発表しています。

経済産業省 『米国の自動車関税発効等を受けた短期の支援策

資金の使い道

社会的な要因などにより企業維持上緊急に必要な設備資金及び経営基盤の強化を図るために必要な長期運転資金
長期運転資金には、建物等の更新に伴い一時的に施設等を賃借するために必要な資金を含みます。

融資限度額

4.800万円(国民生活事業)

7億2,000万円(中小企業事業)

利率(年)

(国民生活事業)

基準利率ただし、[ご利用いただける方]の5に該当する方のうち、次のいずれかに該当する方は、特別利率Q

  • 原油価格上昇をはじめとした原材料・エネルギーコスト増の影響またはウクライナ情勢の変化の影響を受けており、かつ、最近における売上高総利益率または売上高営業利益率が前期に比し5%以上減少している方
  • ALPS処理水の処分に伴う風評影響を受けており、かつ、最近における売上高が前期に比し5%以上減少している方

(中小企業事業)

基準利率(長期運転資金に限り、上限2.5%)
ただし、5に当てはまる方のうち、次のいずれかに該当する方については、基準利率-0.4%(上限2.5%)

  • (1)原油価格上昇をはじめとした原材料・エネルギーコスト増の影響またはウクライナ情勢の変化の影響を受けており、かつ、最近における売上高総利益率または売上高営業利益率が前期に比し5%以上減少している方
  • (2)ALPS処理水の処分に伴う風評影響を受けており、かつ、最近における売上高が前期に比し5%以上減少している方

※なお、信用リスク・融資期間などに応じて所定の利率が適用されます。

返済期間

◆設備資金 15年以内(うち据置期間3年以内)

◆運転資金 8年以内(うち据置期間3年以内)

担保・保証人

(国民生活事業)

お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。

(中小企業事業)

担保設定の有無、担保の種類などについては、ご相談のうえ決めさせていただきます。

直接貸付において、一定の要件に該当する場合には、経営責任者の方の個人保証が必要となります。

留意事項

  • お使いみち、ご返済期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます。
  • 利率は金融情勢によって変動いたしますので、お借入金利(固定)は、記載されている利率とは異なる場合がございます。
  • 審査の結果、お客さまのご希望に沿えないことがございます。

このように、外的要因等により経営状況が悪化した個人事業主や中小企業に対し、比較的低い金利で長期間まとまった金額を融資してくれる制度になります。

また、経営状況の改善を目的とした融資制度であるため、財務状況の悪化によって民間の金融機関には貸し渋られるような状態であっても融資が下りる可能性が高いという特徴もあります。

現在でもかなり頼りになる公庫のセーフティネット貸付ですが、2025年4月4日、日本政府がトランプ政権の関税対策として更なる要件の緩和を行う旨を発表しました。

今回の関税騒動で大打撃を受ける企業は数多くあると思います。売り上げの減少、キャッシュフローの悪化、雇用の削減など、経営状況の悪化が見込まれる企業や個人事業主の方はぜひ日本政策金融公庫のセーフティネット貸付をご検討ください。


行政書士事務所オータムは静岡県浜松市に事務所を置く行政書士事務所になります。

会社設立や中小企業支援、飲食店開業支援などを得意としており、日本政策金融公庫の融資サポートも承っております。

セーフティネット貸付はもちろん、創業融資などを受けたい方などが融資を受けられるようにお手伝いをさせて頂きます。

公庫への融資申請をお考えの際はぜひ、弊所にご相談ください。

お問い合わせはこちらから

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です