2025年4月1日 主な法改正の内容
本日は2025年4月1日ということで新たな年度を迎えます。
新しく学校に入学する方、次のクラスへ進級する方、社会人として会社に入社する方、転職で新たな会社に出社する方などなど、新年度には様々なスタートがあります。
そして、新年度に新たなスタートが多いのは法律の世界でも同様です。
というわけで、今回のコラムでは2025年4月1日から施工される法改正について主だった内容をさらっとみていきたいと思います。
法律は専門用語が多くて取っ付きにくい部分もありますが、今回の法改正では私たちの生活や働き方に関わる内容が多いのでぜひ最後までご覧ください。
自動車関連の改正
まずは自動車関連の法改正について解説します。
車検の受験可能期間の拡大
自動車を行動で走らせるためには【車検】を通さなくてはいけません。
車検とは、正式には『自動車検査登録制度』といい、車の各種機能や排気ガス等の規定が国の定める基準を満たしているかを確認する制度になります。
当然、車検を通していない状態や車検切れの状態で行動を走らせた場合には罰則が設けられています。
この車検ですが、令和7年3月31日までは『車検が切れる1か月前』から次の車検を受けることが出来ました。
令和7年4月1日より、この車検の受験期間が拡大されます。
具体的に言いますと、これまでは『車検が切れる1か月前』からの受験が可能だったものが『車検が切れる2か月前』から車検の受験が可能となります。
そして、仮に2か月前に車検を受けたとしても、残りの2か月分の有効期限が無くなってしまうわけではないのでご安心ください。
これは繁忙期などに車検が集中してしまうことにより、検査場の整備士の負担が増えていたという問題を解消するための法改正ではあります。
そして、車検の受験期間が延びるということは、車検の日程の調整幅が増えるため、自動車ユーザーにとっても大きなメリットになるのではないでしょうか。
保管場所標章の廃止
自動車関連での改正はもう一点。
保管場所標章の交付が2025年4月1日から廃止されます。
あまり聞きなれない名称なので『保管場所標章』ってなに?と思われた方も多いかもしれません。
保管場所標章はいわゆる『車庫証明』の手続きをした際に渡されるシールになります。
普通自動車(地域によっては軽自動車も必要)を新たに取得した場合や保管場所を変更した場合には、管轄する警察署へ自動車の保管場所を届出なくてはいけません。これがいわゆる車庫証明の手続きになります。
この手続きを終えた後、保管場所を証明する証として『保管場所標章』を受領し、これを当該車両のリアガラスに貼らなくてはいけないという決まりがありました。
2025年4月1日からはこの『保管場所標章』の交付が廃止され、リアガラスに貼る義務もなくなります。
ただし、保管場所標章の交付が廃止されるだけであり、自動車の保管場所証明の届出(車庫証明)は行わなくてはいけない点にご注意ください。
保管場所標章の交付には、これまで500円程度の申請手数料が掛かっていたのですが、それが不要になるため、自動車ユーザーにとっては嬉しい改正になりますね。
雇用保険法の改正
雇用保険とは、社会保険の一種であり、労働者が自己都合や会社都合等で退職した際に、労働者の生活の安定化や再就職までの支援として支払われる保険です。
ただし、退職理由が『自己都合』なのか『会社都合』なのかで雇用保険が支払われるまでの期間に開きがあります。
『会社都合』での退職の場合、リストラや倒産などといった労働者にはどうすることもできない理由で退職となるため、労働者の生活を守るために失業手当の給付が急いで行われます。
反面、『自己都合』での退職の場合には、再就職の意欲がない者の失業手当の給付を防ぐなどの観点から、退職から手当の給付までに一定の制限期間を設けています。
今回の雇用保険改正で一番大きな目玉となるのが、『自己都合退職』での失業手当の給付を受けるまでの日数が短縮される点になります。
失業手当の給付期間短縮
自己都合の場合、これまではハローワークに失業手当の申請を行い、7日間の待機期間の後、2か月の給付制限期間を過ぎてから給付となっていました。
(自己都合退職の場合、退職から失業手当の受給まで最短でも9週間程かかることになります)
実は、もともとは自己都合退職の場合には、失業手当の給付制限期間は3か月でした。しかし、令和2年10月の法改正で2か月に短縮されています。
そして今回の改正では、自己都合退職時の失業保険給付制限が7日間の待機期間+1か月の給付制限となり、大幅に短縮されることになります。
また、教育訓練給付の講座を受講していれば、7日間の待機期間後、給付制限期間なくすぐに失業手当を受け取ることができます。
これにより、失業保険の給付制限期間を理由に転職を悩んでいた労働者が転職活動しやすくなり、雇用の流動性が上がることが見込まれます。
近年では、リスキリングなどの言葉もよく耳にするようになり、国が雇用の流動性アップに力を入れていることが伺えます。
教育訓練給付金の給付率変更
教育訓練制度とは、教育訓練給付制度とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるものです。教育訓練給付制度|厚生労働省
この教育訓練制度ですが、現行制度では離職前の基本手当日額の80%が支給されている教育訓練給付金ですが、今回の改正後では支給率が60%に引き下げられます。
この変更は、給付金制度の持続可能性を確保するための措置とされています。
育児休業給付金の保険料引き上げ
保険料率がこれまで0.4%だったものが0.5%に引き上げられます。
※実際の保険料率は保険財政の状況に応じて調整
出生後休業支援給付金
今回の法改正で新たに「出生後休業支援給付金」が創設されます。
育児休業給付金と出生後休業支援給付金を合わせて受給すると、最大28日間は賃金額面の80%(手取りで10割相当)の給付金を受給できるようになります。
育児時短就業給付の創設
現状では育児のために時短勤務を行わなければならない労働者を支援する仕組みがないことを問題とし、今回の法改正では育児のための時短勤務者に給付を行う制度が開始されます。
『2歳未満の子を養育するために時短勤務を行った労働者を対象に、時短勤務中に支払われた賃金額の10%』を子ども・子育て支援金を財源として給付が行われます。
他にも改正された法律はいくつもありますが、主だったものとして上記を紹介させて頂きました。
各項目の細かい点につきましては改正内容を今一度ご確認ください。
今回の法改正では主として、子育て世帯への支援が厚くなった印象を受けます。
少子高齢化が進む日本において、国の宝である子供に対する支援が厚くなることは非常に良いことだと思います。
また、介護職や介護を行う労働者に対する支援もだんだんと広がりつつあります。
小さな子供からご年配の方まで全ての方が安心して暮らせる日本のために、今後もより良い方向で法改正を続けてほしいものです。

