合同会社と株式会社の違い
当事務所のHPを見てくださっている方の中には、これから会社設立をしたいと考えている方々もたくさんいらっしゃるかと思います。
会社を設立するにあたって一番最初に考えなくてはいけないことは、合同会社と株式会社、どちらで設立するか?ではないでしょうか。(厳密にいえば、合名会社や合資会社等もありますが、今回は割愛させて頂きます)
合同会社と株式会社どちらで設立するか考えるにあたって、それぞれの法人形態のメリットデメリットをしっかりと把握しておくことは非常に重要です。
会社設立の専門家として、今回はそのあたりの解説を行いたいと思います。
まずは設立費用の面
| 株式会社 | 合同会社 | |
| 印紙代 | 40,000円 ※1 | 40,000円 ※1 |
| 定款認証手数料 | 30,000円~50,000※2 | なし |
| 登録免許税 | 150,000円~※3 | 60,000円~※4 |
※1 定款を電子定款で作成場合は不要
※2 資本金が100万円未満の場合は30,000円、資本金が100万円以上300万円未満の場合は40,000円、資本金が300万円以上の場合は50,000円になります。
※3 :資本金額×0.7%または150,000円、どちらか高いほうになります
※4 :資本金額×0.7%または60,000円、どちらか高いほうになります。
これを見て頂いてわかる通り、設立費用に関しては合同会社の方が圧倒的に安くなります。
続きまして、その他の項目についても見ていきましょう。
| 株式会社 | 合同会社 | |
| 会社の所有者 | 株主 | 社員=出資者 |
| 公告義務 | あり | なし |
| 税金面 | 合同会社と同じ | 株式会社と同じ |
| 役員の任期 | 2年(非公開会社の場合、定款で最長10年) | 任期なし |
| 利益配分 | 出資割合=株式保有数に応じる | 出資割合に関係なく定款で自由に設定可能 |
| 株式上場 | 可能 | 不可 |
| 社会的信用度 | 高い | 株式会社と比べるとやや低い |
株式会社と合同会社の違いをざっと書き出してみると、このような感じになります。
この表だけ見てもあまりしっくりこないかもしれませんので個別で解説をしていきます。
会社の所有者
これは、誰が会社を所有しているのかということですが、株式会社の場合は株主が所有者となります。ここで重要なことは、株式会社は所有と経営が分離しているということです(厳密にいえば中小企業では所有と経営が分離していないことが多いですが・・・)
株式を上場している大企業を想像していただけると分かりやすいのですが、株式を保有している株主(会社の所有者)と実際に会社の経営を行っている役員(会社の経営者)は必ずしもイコールにはなりませんよね。これが所有と経営の分離です。
対して、合同会社の場合は一部の場合を除いて出資者=経営者となるため、会社の所有と経営が分離していません。この点がまず株式会社と合同会社の異なる部分になります。
広告義務
まず公告とは何かといいますと、株式会社の決算(決算公告)や、合併や解散などといった重要な事項(法定公告)を株主や債権者などのために広く知らせなくてはならないという規定が会社法の中にはあります。 会社法第440条第1項・第2項・第3項
そしてよく勘違いされがちな点ですが・・・『公告義務はあるけど、罰則はないから公告はやらなくてよい』という声を聞きますが、これは間違いです。
公告義務を行わない場合の罰則規定として100万円以下の過料がしっかりと設けられております。 会社法第976条第2号
ただし、実際に公告を行わなかったためにこの過料を支払ったという実例はほとんどないため、事実上の無罰則という認識になっているのだと思います。
この公告の義務は株式会社にのみ適応されているため、合同会社には広告の義務はありません。
税金面
これはもしかしたら意外に思われる方もいるかもしれませんが、株式会社と合同会社、会社を経営していくうえで掛かってくる税金の種類や金額については同じです。
合同会社だから法人税が安いといったことはありません。(国民年金や健康保険といった社会保険料についても会社形態による差はありません)
役員の任期
株式会社の場合は基本的に2年になります。ただし、非公開会社(発行株式の全てが譲渡制限株式の会社)の場合は定款の定めにより、最長10年まで延長することが出来ます。ちなみに、任期満了後に役員を変更する場合には定款の変更は必要ありませんが、法務局にて登記を行う必要があります。任期満了後に同じ人物が再任される場合でも同様に法務局での登記が必要になります。登記が必要になりますので、登記費用及び司法書士への登記依頼費が任期満了ごとに必要となります。
対して合同会社は役員の任期がありませんので、極端な話、会社が続く限りずっと同じ人物が役員をやり続けることができます。株式会社のように途中で登記の必要もありませんので、登記費用も掛かりません。
つまり、役員の登記費用(会社のランニングコスト)という面でも合同会社は株式会社よりも費用を抑えることができます。
利益配分
これはいわゆる”配当”というものです。
株式会社の場合、株主平等の原則に基づいて株式の保有数、内容に応じて株主を平等に扱わなくてはいけません。(会社法109条1項)つまり、利益を分配する際は出資割合(株式保有数)に応じた平等な額でなくてはならないということです。(ちなみに、この株主平等の原則は配当以外だと、株主総会の議決権にも適応されます)
対して、合同会社が配当を配る場合、出資割合に捕らわれることなく定款で自由に設定することができます。
合同会社は株式会社よりも定款の自由度が高いという特徴があるので、こういう点で合同会社を選択される方も多いかと思います。
株式上場
株式会社は会社の成長に伴い株式市場への上場が可能です。対して合同会社は、そもそも株式を発行ができないため、株式上場はできません。つまり、株主を募集することによる資金調達はできないということになります。
社会的信用度
”法的な立場”としては株式会社と合同会社に優劣は一切ありません。ただ、やはり合同会社という形態は日本ではまだまだ認知が低く、世間一般からすると株式会社に比べ、合同会社への社会的信用度はやや低いという感じは否めません。もちろん、個人事業主という形態に比べれば法人組織である合同会社の方が、法的にも社会的にも信用度は高いです。
ちなみに、日本に存在する大企業の中でも合同会社という形態をとっている会社はいくつもあります。例を挙げると・・・Apple Japan、アマゾンジャパン、グーグルなどの大手外資系企業やスーパーマーケットで有名な西友(西友は2022年に株式会社へ改組)などは合同会社の形態をとっています。
まとめ
信用度や資金調達という点では株式会社が有利となりますが、設立費用、ランニングコストの安さ、定款の自由度の高さなどでは合同会社に軍配があがります。
上記以外にも細かい違いはいくつもありますが、株式会社と合同会社の違いは概ねこのような感じになります。
どちらの形態にもメリット、デメリットがありますので、これから会社設立を考えている方の状況や事業形態などに合わせて株式会社、合同会社の選択をするのが良いと思います。
もちろん、会社設立は大きな決断になりますので、初めて会社を設立する方などはこれらの情報を見ても決め切れない場合があるとおもいます。
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