【行政書士が解説】モペットは自転車ではなく原付です!公道走行にはナンバープレートが必要です。

当コラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
弊所は静岡県浜松市で営業を行っている行政書士事務所になります。
さて、本日のコラムテーマは【モペット】についてです。
モペットという言葉に聞き馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。
モペットとは簡単に言うと『ペダル付き電動バイク』のようなものであり、昨今若者を中心に人気が出てきております。
モペットの自転車のような見た目から区分を勘違いしていたり、関係法令を知らなかったりする方もいらっしゃいますので、本日はその辺を行政書士が解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
モペットとは?

モペットとは『モーター付きペダル自転車』の略称であり、小型のエンジンやモーターが搭載されたペダル付き2輪車両のことを指します。
モーター付きペダル自転車という名称や、その見た目から”自転車”であると思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、モペットは道路交通法上、一般原動機付自転車=原付となります。
原付ということは当然、その他の原付と同様に道路交通法に則って車両を運用する必要があります。
近年、見た目のかっこ良さや手軽さ、サイズ感の良さなどから若者を中心に人気が高まってきているモペットですが、正しい知識がないまま購入をし、道路交通法違反の状態で使用している方も一定数います。
現に、大都市などではモペットによる違反者の増大に伴って警察による検挙件数も増加しているようです。
特定小型原動機付自転車とモペットとの違いは?
1. 定義
モペット(ペダル付き電動バイク)
モペットとは、ペダルと電動モーター(エンジン)を併せ持つ小型の二輪車の総称です。外観は自転車に近いものが多いものの、モーターだけで走行可能な構造であり、法律上は「自転車」ではなく、原動機付自転車または自動二輪車として扱われます。
特定小型原動機付自転車(特定小型原付)
特定小型原付は、2023年に新設された新しい車両区分で、電動キックボードなどの小型電動モビリティ向けの制度です。一定の技術基準を満たした車両のみが特定小型原付として認められます。
2. 法律上の区分
モペット
道路交通法および道路運送車両法では、モペットは「原動機付自転車」または「自動二輪車」に分類されます。見た目が自転車に似ていても、モーターのパワーのみで走行が可能である時点で原付バイクや二輪車と同等の扱いとなるため、公道で走行するためには車両登録(ナンバープレートの装着)が必要になります。
また、安全性確保のための保安基準も適用され、灯火類・制動装置・反射材などの装備が必要であるほか、ヘルメットの着用も義務化されています。
特定小型原付
特定小型原付は、原付の一種として法律に新しく追加された区分です。専用の技術基準と保安基準が整備されており、区分として独立したルールが適用されます。ナンバープレート、自賠責保険の加入、各種保安部品の装備が必要です。
3. 技術基準
モペット
モペットは、定格出力や構造によって原付か二輪車として扱われます。
そのため、モペットに共通の明確な技術基準があるわけではなく、バッテリーの安全性、制動装置、灯火類など、一般的な原付・二輪車の基準が適用されます。
特定小型原付
特定小型原付には、以下のような明確な技術基準があります。
- 最高速度 20km/h 以下
- 定格出力 0.6kW 以下
- 車体サイズ:全長1.9m以下、全幅0.6m以下
- オートマチック変速(AT)であること
- 走行中に速度設定を変えられない構造
- 最高速度表示灯(緑色ランプ)が点灯・点滅する機能
- 前照灯、尾灯、制動灯、ホーンなどの保安部品を備えること
これらの条件をすべて満たして初めて「特定小型原付」として認められます。
4. 最高速度
- モペット:モデルや性能により異なるが、原付区分であれば法律上は30km/hで走行
- 特定小型原付:技術基準で最高速度20km/hに制限される
特定小型原付は“低速で安全に運行する小型モビリティ”として設計されているため、速度制限が厳しく定められています。
5. 運転免許
モペット
モペットの運転には免許が必要です。
区分に応じて以下のいずれかが求められます。
- 原付免許
- 普通自動車免許
- 二輪免許(車両の出力による)
また、ペダルで走っていても「モーターが搭載されている車両を扱っている」ため、法律上は“運転”とみなされる点が重要です。つまり、たとえモーターのパワーを使用していなくても原付に乗っているのと同等の扱いとなるため、運転免許の必要性やヘルメットの着用義務は無くなりません。
特定小型原付
- 16歳以上であれば運転免許は不要
- 16歳未満は運転禁止
特定小型原付は、免許不要で乗れる電動モビリティとして制度設計されています。
『電動アシスト自転車』と『ペダル付き電動バイク』の違いについては警視庁HPに詳しく掲載されています。ぜひこちらも併せてご一読ください。
「電動アシスト自転車」と「ペダル付き電動バイク」の違いについて
法改正
1. 用語・区分の整理
- 「モペット」「ペダル付き電動バイク」は見た目が自転車でも、電動アシスト自転車とは区分が異なる場合がある。
- 電動アシスト自転車
- 人力が主で、電動はあくまで補助。
- モーターのみの単独走行ができない。
- モペット(ペダル付き原付)
- ペダルが付いていても、モーターのみで走行可能なものは原付扱いとなる。
- 外観が自転車でも、法的にはバイク。
2. 最近の主な法改正のポイント
- 令和6年11月1日施行の道路交通法改正により、
- 「モーターを切ってペダルだけで走行しても原付等の扱いになる」という点が明文化された。そのため、「ペダル漕いでるから自転車扱い」という誤解が通用しなくなった。また、違法車両・無免許運転が増えたことから、取締り・周知が強化されている。
モペットで公道を走るためには?
ここまでで『モペット=原付』であることはご理解いただけたかと思います。
となれば当然、モペットを公道で走らせるためには道路交通法に則る必要があることもご理解いただけるかと思います。
では具体的に、モペットを公道で乗るためにはどのような部品や手続きなどが必要であるのか見ていきましょう。
1. 車両に必要な装備(保安基準)
モペットは見た目がどれだけ自転車に似ていても、原付バイクと同基準の保安部品が必要です。
装備が1つでも欠けると、公道走行は違法になります。
■ 必須の保安部品
- 前照灯(ライト)
夜間点灯できるもの。光量も基準を満たす必要あり。 - 尾灯(テールランプ)
後方から視認できる赤色ランプ。 - 制動灯(ブレーキランプ)
ブレーキ操作に連動して点灯する必要がある。 - 番号灯(ナンバーライト)
夜間にナンバーを照らすライト。 - 反射器材(リフレクター)
後方赤色。側面や前方も推奨。 - ウインカー(方向指示器)
左右それぞれが独立して点滅するもの。 - 速度計(スピードメーター)
速度が確認できる装備。 - 警音器(ホーン)
明確に聞こえるもの。 - ミラー(バックミラー)
左右どちらか1つ以上が原則。 - ブレーキ前後
十分な制動力を持ち、整備された状態であること。
これらは「原付として必要な最低条件」であり、多くの海外製モペットは初期状態で不足している場合があるため注意が必要です。
2. 運転免許
モペットはモーター(エンジン)を搭載しており、モーター(エンジン)のみで走行が可能な構造をしているため、どんなに自転車に似ていても運転免許が必要です。
■ 必要な免許の種類
モペットの出力が
- 0.6kW以下 → 原付免許(または普通免許)で運転可能
- 0.6kWを超える → 小型二輪免許以上が必要
※ペダルだけで走っても、モーターが搭載された車両を運転している時点で「免許の必要な車両」とみなされます。
3. ナンバープレートの取得
公道を走るには、原付バイクとして市区町村で登録し、ナンバープレートを取得することが必須です。
■ ナンバー取得時に必要なもの(新規登録)
- 車両の販売証明書
- 印鑑または署名
- 本人確認書類
■ ナンバー取得時に必要なもの(名義変更)
・譲渡証明書
・廃車証明書(廃車済みの場合)
・ナンバープレート&標識交付申請書(未廃車の場合)
・本人確認書類
車両登録の際に必要になる書類に関しては自治体ごとに異なる場合があります。不明な場合には必ず事前に登録する自治体にお問合せください。
ナンバーを付けず(車両登録せず)に走行すると、無登録運行(違法)として重い罰則の対象になります。
4. 自賠責保険(強制保険)
ナンバーを取得したら、次は自賠責保険の加入が義務です。
- 未加入で走行 → 無保険運行(重大違反)事故の際の対人補償に必須となります。
自賠責保険の加入手続きは、コンビニ・保険代理店・ネットなどで可能です。
また、原付を公道で走らせると交通事故のリスクが発生します。ご自身に過失のある事故の場合には、人身事故、物損事故問わず賠償責任が発生します。
必須となってはいませんが、もしもの際に賠償責任を負えるように任意保険への加入を強くおススメします。
5. ヘルメット着用義務
モペットは原付扱いのため、
ヘルメットは必ず着用しなければなりません。
自転車用ヘルメットではなく、原付・二輪用の規格に合ったもの(PSC/SGなど)が必要です。
無帽運転は即時取り締まりの対象です。
6. 税金の支払い(軽自動車税)
モペットを登録すると、毎年 軽自動車税(原付:2,000円程度) がかかります。
これも原付バイクと同じ扱いです。
7. 走行ルール(交通ルール)
モペットは完全に原付扱いのため、
以下の自転車との違いも大切です。
■ 知っておくべき主なルール
- 歩道走行は禁止(車道のみ)
- 最高速度 30km/h
- 二段階右折が必須の交差点がある
- 自転車専用レーンの走行不可
- スマホ・傘・イヤホンのながら運転禁止
- 酒気帯び運転は厳罰
自転車感覚で走ると一発で違反になるため注意が必要です。

違反時の罰則
モペット=原付である以上、道路交通法に違反をした場合、罰則の対象となります。モペットでよくある違反とその罰則は下記の通りです。
| 違反内容 | 刑事罰(懲役・罰金) | 行政処分・違反点数 | 反則金・備考 |
|---|---|---|---|
| 無免許運転 | 3年以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金 | 25点(即免許取消相当) | ― |
| 免許不携帯(免許証を持っていない) | 刑事罰なし | 点数なし | 反則金 約3,000円 |
| ヘルメット未着用 | 刑事罰なし | 1点 | 反則金なし(ただし指導対象) |
| ナンバープレート未装着 | 5万円以下の罰金 | 点数なし | 反則金 約5,000円 |
| 自賠責保険未加入(無保険運行) | 1年以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金 | 6点(免停レベル) | ― |
| 整備不良車両(保安部品不足・基準不適合) | 3月以下の拘禁刑 または 5万円以下の罰金 | 1〜2点 | 反則金 約5,000~6,000円 |
| 歩道の走行など通行区分違反 | 3月以下の拘禁刑 または 5万円以下の罰金 | 点数なし | ― |
ここに挙げた違反はあくまでも一例になります。モペット=原付である以上、道路交通法に定められた内容に従わなければ法律違反となりますし、地方自治体が定める条例にも従う必要があります。
▢摘発事例▢
モペット違反での警察摘発・逮捕/送検事例
- 無免許・ナンバー無し・ノーヘルで運転(東京都・品川区)
- 20代男性が品川区・西五反田で、モペットを無免許で運転。ナンバープレートやミラーも付いておらず、ヘルメットも着用していなかった。警視庁が道路交通法違反容疑で書類送検。 朝日新聞+2毎日新聞+2
- 信号無視による危険運転致傷(東京都・中央区)
- 45歳・会社員の男性が、モペットで赤信号を無視して交差点に進入、歩行者の女性に衝突して左足などを負傷させた。警視庁は自動車運転処罰法(危険運転致傷)で逮捕。 くるまのニュース+2新車・中古車の自動車総合情報サイト〖carview!〗+2
- 事故前にも信号無視や一方通行の逆走といった違反が複数あったとみられており、警察が継続的に捜査している。 くるまのニュース
- 男性はモペットを「海外通販で買って電動アシスト自転車だと思っていた」と説明しており、車両の区分を把握していなかった可能性がある。 新車・中古車の自動車総合情報サイト〖carview!〗
- 販売会社を詐欺・誤表示で書類送検(大阪)
- 大阪市の販売会社が、モペット(原動機付き)をあたかも「免許不要の特定小型原付(=電動アシスト自転車)」であるかのように誤認させて販売。 関西テレビ放送 カンテレ
- 約48台を販売し、310万円をだまし取った疑いで会社役員らが書類送検された。 関西テレビ放送 カンテレ これにより、モペット購入者が「免許不要」と誤解して違反行為に及ぶケースが問題視されている。
- 家宅捜索/誤認表示での摘発(神奈川県)
- 神奈川県警が、自社製モペットを「電動アシスト自転車」と偽って宣伝・販売したとして、自転車パーツ販売会社を家宅捜索。 日刊ゲンダイDIGITAL これも「モペットは免許いるバイク」との法律上の区分を誤認させる広告表示による摘発。
まとめ
| 項目 | モペット | 特定小型原動機付自転車 |
|---|---|---|
| 定義/分類 | ペダル付き電動バイク。電動だけでも走行可能なもの。 | 主に電動キックボードなどで、法律で新設された区分。 |
| 法律上の区分 | 原動機付自転車(50cc以下相当)扱い。 | 原動機付自転車だが、特別基準を満たした“特定原付”として扱われる。 |
| 技術基準 | 特定原付とは別の基準で、通常の原付扱い。 | 最高速度20km/h以下、定格出力0.6kW以下、車体サイズの上限、AT限定、最高速度表示灯など必須要件あり。 |
| 最高速度 | 原付と同等の扱い(30km/h制限)。 | 最大20km/hまで。 |
| 運転免許 | 必要(原付免許以上)。 | 16歳以上なら免許不要。 |
| ナンバープレート | 必要。 | 必要。 |
| 自賠責保険 | 加入義務あり。 | 加加入義務あり。 |
| ヘルメット | 着用義務あり。 | 努力義務(義務ではない)。 |
| 走行場所 | 車道のみ。自転車道・歩道は走行不可。 | 車道に加え、自転車道の走行も可能。 |
| 取り締まり例 | 無免許・歩道走行・信号無視などで摘発されやすい。 | 通行区分・信号無視などで取り締まりあり。 |
法律は『知らなかった!』、『買うときに何も言われなかった』で済まされるものではありません。関係法令を調べて勉強するのは購入者、所有者の責任です。
これからモペットを購入する方はもちろん、すでにモペットを所有されている方も、『モペットは原付である』という認識をしっかりと持ち、道路交通法に則った安全な運用を心がけてください。
弊所は静岡県浜松市で営業を行っている行政書士事務所です。行政書士は行政手続きの専門家!各種許認可の取得はもちろん、自動車や自動二輪車の新規登録、名義変更、ナンバープレートの再交付等々もおまかせください。
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