【行政書士が解説】露店営業の許可申請手順・必要書類について
当コラムを見て頂き、ありがとうございます。
静岡県浜松市を拠点とする、行政書士事務所オータムでは飲食店営業許可、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出、風俗営業許可、特定遊興飲食店営業許可等々を得意としております。
さて、今回のコラムの内容は【露店営業の許可申請手順・必要書類】についてになります。
お祭りの楽しみのひとつでもある出店なども飲食店営業許可を取得しなくてはいけません。
しかし、露店という営業形態の都合上、通常店舗で飲食店営業許可を申請する場合とは手順や必要書類が異なってきます。
今回は、飲食店関連の許可を取り扱っている行政書士が露店営業の許可について解説していきたいと思います。
これから露店営業の許可取得を考えている方はぜひ最後までご覧ください。
なお、露店営業許可は出店する地域の保健所から飲食店許可を取得する必要があります。今回は静岡県の基準をもとにコラムを書きますが、地域によって申請手順や必要書類、許可基準などが異なる部分があるかもしれませんので、必ず事前に管轄する保健所へ確認を行ってください。
露店営業とは
露店営業とは、曳車、屋台、組立式等で移動性のあるものに施設を設けて、食品を調理し提供する形態の営業です。
自動車などで調理販売などを行う、いわゆる【キッチンカー】は『飲食店営業許可(自動車)』という扱いになるため、露店とは別の許可となります。
キッチンカーでの営業許可と露店営業許可の大きな違いとしては、提供できる食品が異なるということです。
キッチンカー営業許可申請の手順についてはこちらで解説しています。
【行政書士が解説】キッチンカー営業許可申請の手順や必要書類について
通常店舗での飲食店営業許可の取得手順はこちら
露店営業で提供できる食品
◆直前加熱食品(焼き鳥、フライの類、たこ焼、お好み焼き、焼きそば、フランクフルト)
露店営業許可申請に関する手続き|静岡県公式ホームページ
◆中華そば類
◆酒類(ビールサーバー等による提供を含む)
◆菓子製造業類似製品(きんつば、たい焼、今川焼、クレープ)
◆喫茶類等(ホットコーヒー、ジュース:既製品を注いで提供)
◆かき氷(氷雪製造業において製造した氷を使用すること)
◆アイスクリーム(既製品の小分け販売に限る)
露店営業許可が不要な食品(届出は必要)
◆単純な加工販売
露店営業許可申請に関する手続き|静岡県公式ホームページ
◆かるめ焼
◆あめ細工
◆わた菓子
◆焼き芋
◆炒り豆
◆爆弾あられ
◆ゆで栗、甘栗
◆甘酒
◆ポップコーン
◆チョコバナナ
◆りんごあめ、いちごあめ
◆焼とうもろこし
露店営業では提供できない食品
◆生食用食品(生食用鮮魚介類、寿司、生食用食肉、生卵等)
露店営業では提供を自粛した方がいい食品
◆加熱工程がなく、洗浄・殺菌・低温管理を要する食品
露店営業許可申請に関する手続き|静岡県公式ホームページ
◆生野菜
◆浅漬け、冷やしきゅうり
◆生ジュース(既製品以外のもの)
◆前日に調理した食品
等
このように、露店営業では提供できる食品、提供できない食品が列挙されています。
自粛品に関しては禁止ではありませんが、自粛の趣旨を考えれば提供しないほうが無難かと思います。
ここに列挙されていない食品の取り扱いを考えている場合や判断に迷う食品を取り扱う場合には、事前に出店場所を管轄する保健所に相談を行ってください。
衛生管理の留意事項
- 取扱品目数や取扱量は施設規模等に見合ったものとし、簡易な調理としてください。
- 冷蔵が必要な原材料(肉、魚、処理した野菜等)は調理直前まで冷蔵してください。
- 冷凍原材料の解凍は、専用の容器等で衛生的に行ってください。
- アイスクリーム類を小分けする場合は、温度計付冷凍庫で保存し、開封したアイスクリームは翌日に持ち越さないでください。
- かき氷の氷は、専用の衛生的な容器で保存してください。
- 営業場所以外で仕込み行為(原材料の細切等)を行う場合は、提供当日に営業許可を受けた施設等で衛生的に行ってください。
- 提供食品は前日に調理を行わず、加熱調理食品については、提供直前に十分加熱し、残品を翌日に持ち越さないでください。
- 食中毒発生のリスクがある生野菜(きゅうり、レタス、トマト等)をそのまま提供することは避け、ジュース類は市販品を小分けして提供してください。
- 調理従事者の健康状況の確認、手洗いの徹底、使い捨て手袋の着用等、衛生管理を徹底してください。
上記の内容は、静岡県のHPに記載されている内容です。静岡県で露店営業許可を取得する際には必ず守るようにしましょう。
また、衛生管理の留意事項は各地域により差があると思いますので、出店地域を管轄する保健所からの説明を必ず受けましょう。
露店営業に必要な設備
通常店舗で飲食店営業許可を取得する場合と同様に、露店営業の場合でも営業所内の設備的要件があります。
ただ、許可要件の内容については通常店舗とは異なる点に注意が必要です。
■シンク
手洗いや食材の洗浄用設備としてシンクの設置及び消毒用石鹸の設置が必要です。
このシンクのサイズに関しても決まりがあり、縦横30cm程度以上の大きさでなくてはいけません。
■殺菌設備
エタノール、次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌用設備が必要です。
■蛇口付き給水タンク
給水用タンクの設置が必要ですが、タンクの口に蛇口内径13mm以上の蛇口を装着する必要があります。
また、タンク容量も40L以上を確保しなくてはいけません。(20Lタンク2本でもOK)
■排水設備
使用済みの水を捨てるための排水設備を設置する必要があります。
こちらも給水タンクと同様に40L以上の容量を準備してください。
■温度計付き冷蔵設備
冷蔵品を取り扱う場合には、クーラーボックスなどの冷蔵設備が必要です。(常温品のみの取扱いであれば不要)
クーラーボックス内部の温度を測るために温度計も忘れずに設置しましょう。
※かき氷を提供する場合には、カキ氷用の氷を保管する専用のクーラーボックスが必要です。
■蓋付きの保管設備
食材を保管するためのボックスを設置が必要です。
虫や埃の侵入を防ぎ、衛生環境を確保するため、蓋付のものでないといけません。
■蓋付きのゴミ箱
ゴミを入れるための専用のゴミ箱を用意しましょう。
こちらも衛生面を考慮して蓋付のものでなくてはいけません。
露店営業許可申請に必要な書類
◆施設の平面図
◆食品衛生責任者の資格を証する書類
◆HACCPに沿った衛生管理計画
◆水質検査成績書(井戸水や貯水槽などを使用する場合)
◆登記簿謄本(申請者が法人の場合のみ)
▢施設の平面図
露店営業の許可申請を行う際には、露店内部の配置図の提出が必要になってきます。
必要な設備をどのように配置するのかを図面化しましょう。

露店営業許可申請に関する手続き|静岡県公式ホームページ から引用
▢食品衛生責任者の資格を証する書類
露店営業に限らず、飲食店営業許可を取得する際には【食品衛生責任者の資格】が必要になります。
取得方法については後述します。
▢HACCPに沿った衛生管理計画書
HACCPとは、Hazard Analysis and Critical Control Point の略称で『ハサップ』と読まれることが多いです。
HACCPとは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。
HACCP(ハサップ)|厚生労働省
この手法は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。
簡単に言えば、全国共通の食品安全管理の指針のようなものです。
HACCPに沿った衛生管理計画書は厚生労働省が示している、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書を参考に作成する必要があります。
▢水質検査成績書(井戸水や貯水槽などを使用する場合)
露店内で使用する水を井戸水や貯水槽などから使用する場合には、その水質検査成績書(1年以内に発行したもの)の提出が必要となります。
▢登記簿謄本(申請者が法人の場合のみ)
法人が露店の営業許可を申請する際には、登記簿謄本が必要になります。登記簿謄本は法務局で取得することができます。
食品衛生責任者の資格
飲食店を営業するうえで『食品衛生責任者の資格』は必須となります。
1店舗につき1名以上の食品衛生責任者の資格を有する者を設置しなくてはいけません。
調理師、製菓衛生士、栄養士、船舶料理士、と畜場法に規定する衛生管理責任者又は作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者等の有資格者が食品衛生責任となることができます。
とはいえ、これらの資格を持っている人は少なく、これから取得しようとしても時間が掛ってしまいます。
でもご安心ください。
上記の資格を持っていなくても、資格者養成講習会を受講することにより、誰でも食品衛生責任者の資格を取得することが可能です。
資格者養成講習会は管轄の保健所もしくは食品衛生協会が定期的に開催しており、約6時間の講習で受講料は10,000円前後(地域によって差あり)と手軽に取得することができます。
近年ではe-ラーニング形式で24時間受講できる自治体もあり、取得がより容易になっています。
食品衛生責任者の資格を持っていない場合には、店舗の開業目途がたった段階で講習を受けて取得しておきましょう。
露店営業許可申請の流れ
1
設備の準備
露店で取り扱う商品を決めたら、それに適した設備を用意しましょう。
2
書類の準備
先述した必要書類を事前に用意しておきましょう。特に図面は、慣れていないと作成に時間が掛ってしまうため、早めの準備を心がけましょう。
4
保健所連絡
電子申請完了のメールが届いたら、管轄する保健所へ連絡を行ってください。そこで保健所への来所予約を取ります。
5
保健所へ出向く
予約の日時になりましたら、以下の持ち物を持参のうえ、保健所へ向かいましょう。
保健所の担当者が申請された内容と実際の設備を照らし合わせ、許可基準を満たしているかどうかの確認が行われます。
もし、検査日に基準を満たしていない場合には、後日再検査になります。
【持ち物】
▢申請画面を印刷したもの、もしくは整理番号の控え
▢施設の平面図
▢食品衛生責任者の資格証明書(コピー可)
▢登記事項証明書(コピー可)※法人の場合のみ
▢水質検査成績書(26項目)※井戸水等を使用する場合のみ
▢HACCPに沿った衛生管理計画書
▢申請手数料 16,000円
▢営業に必要な設備一式
6
営業許可の連絡
設備確認で問題が無ければ、1週間程度で電話連絡が来ます。この連絡があった時点で営業が可能となります。
7
許可証の交付
営業許可の連絡があったら、翌月に開催される【許可証交付講習会】を受講してください。ここで許可証を受け取ることができます。
まとめ
お祭りや大きなイベントなど、人が集まりやすい場所に出店できる露店営業は集客の面で有利に働きます。
また、通常店舗を構えるよりも低コストで開業できるため、初期投資の低さも魅力の一つであり、露店営業を始めてみたいと考えている方も多いかと思います。
ただし、露店とはいえ飲食店である以上、きっちりと保健所の許可を取得する必要があります。
静岡県浜松市を拠点とする、行政書士事務所オータムでは飲食店営業許可の申請を得意としております。
もちろん、露店での飲食店営業許可も弊所にお任せください。浜松市以外でも、湖西市、磐田市、袋井市、森町、掛川市、菊川市等々静岡県西部はもちろん、県外からのご依頼、ご相談も受け付けております。
弊所は、『ご依頼者様のビジネスの長期的なパートナーになること』を理念としており、開業のサポートだけで終わるのではなく、
▢飲食店営業許可の更新・変更手続き
▢個人事業主の法人化
▢事業譲渡手続き
▢日本政策金融公庫の創業融資サポート
▢補助金サポート
▢各種契約書の作成
▢事業計画の相談
▢マーケティング相談
▢メニュー写真の撮影
等々
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