【行政書士が解説】深夜における酒類提供飲食店営業開始届出(深酒)の手順や必要な書類について
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行政書士事務所オータムは浜松市をはじめとする、静岡県西部にて飲食店営業許可、風俗営業許可、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出等を取り扱っている行政書士事務所になります。
さて、今回は【深夜における酒類提供飲食店営業開始届出】に関するコラムとなります。
深夜における酒類提供飲食店営業開始届出の提出手順や必要書類などを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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深夜における酒類提供飲食店営業開始届出ってなに?
まず初めに……【深夜における酒類提供飲食店営業開始届出】ってとても長くて覚えづらいですよね……行政書士などの間では略して【深酒-ふかざけ-】と呼ぶことが多いので、本コラムでも以後、”深酒”と書かせていただきます。
深酒は飲食店営業許可の延長上にある届出になります。(ですので飲食店営業許可をあらかじめ取得しておく必要があります)
深酒は、主としてお酒を提供するお店が、深夜(0時~6時 ※場所によっては1時~6時)の間に営業する場合に、警察署に届出なくてはいけないという手続きです。
主に、深夜営業を行うバーや居酒屋などが該当します。
似たようなもので風俗営業許可というものがありますが、内容は全く異なるものなのでご注意ください。
そもそも、社交飲食店などの風俗営業で行うのは”許可申請”です。それにに対して、深酒は”届出”となるため、手続きの性質も少し異なります。
□許可申請とは、行政庁に対して、法令に基づき、利益を付与する処分を求める行為であって、当該行政庁が諾否の応答をしなくてはいけません。
□届出とは、法令で義務付けられている内容を、行政庁に対して通知する行為であり、当該行政庁は諾否の応答を行いません。
簡単にいうと、許可などの申請は、行政側の審査があり、『OKです』又は『ダメです』といった結果が返ってきます。
それに対し、届出は一方的に書類などを提出する行為であるため、行政側から『OKです』、『ダメです』といった返答はありません。
書類が受理されれば、それで通知義務を果たしたということになります。
ここでふと思った方もいるかもしれません。『行政の審査が無い分、風俗営業許可申請に比べれば深酒の届出って簡単なんじゃないの?』っと。
それはある意味正解なのですが、だからといって深酒の届出が容易だというわけではない点をご注意ください。
義務付けられた書類などを提出すれば完了といっても、書類に不備があったり、書類に不足があった場合には受け付けてもらうことはできません。軽微な内容であればその場で修正といった対応が取れるかもしれませんが、修正ができないほどの大きな不備であれば再度書類の作り直しを求められることもあります。
そして、後述しますが、深酒で求められる書類の量はかなり多く、さらに店舗の平面図や求積図、照明・音響機材の配置図や周囲の概略図など、専門的な知識がないと作成できない書類も数多く含まれます。
当然、これらの書類に不備や不足があれば受け付けてもらうことができません。
当たり前ですが、書類の受付をしてもらえないということは、『提出していない』ということになるため、届け出ていないことと同じです。
確かに、要件の少なさ、必要書類の少なさ、実査のない点などで風俗営業許可申請などと比較すれば深酒の届出の難易度は低いです。とはいえ、決して簡単に手続きができるわけではないことをご承知ください。
深酒の届出が不要な店舗
深酒は『主としてお酒を提供するお店が、深夜(0時~6時 ※場所によっては1時~6時)の間に営業する飲食店』は届け出る必要があります。
逆に言えば、これに該当しない店舗は届出を行う必要はありません。
具体的に言えば
□深夜に営業行わない飲食店
□深夜に営業を行うが、主に主食を提供する飲食店
主食とは、ご飯、パン、麺類、ピザ等々のメインとなる食事のことを指します。
牛丼屋やラーメン屋、定食屋、ファミレスといった主にご飯を食べる目的の飲食店がサイドメニューとしてビールなどのお酒を提供する場合には、深酒の届出は不要となります。
とはいえ、主食を取り扱っていれば良いというわけではありません。
例えば、深夜営業するバーでメニューの中に1品だけおにぎりやピザなどを入れたとしても、それだけで主食を提供するお店とはならないため、深酒の届出が必要になります。
あくまでも、ご飯を食べることが主目的である飲食店でないといけません。
この部分についてはご自身による判断が難しい場合には、飲食店営業許可や風俗営業許可、深酒の届出などの専門家である行政書士に一度相談してみると良いでしょう。
営業所の場所的要件
用途地域の制限
深酒の届出を行うためには、店舗の場所的要件をクリアする必要があります。
基本的には、商業地域、近隣商業地域、工業地域、準工業地域でのみ営業が可能です。(住宅系の用途地域では不可)
ただし、これは各地域の条例などで異なってくる部分ですので、届出を行いたい店舗がどこの用途地域にあるのか、その地域の条例はどうなっているのかなどの確認を事前に行っておいてください。
用途地域については各市町村のホームページや窓口等で確認することができます。
保全対象施設の要件
深酒の届出の場合、風俗営業許可と違い、保全対象施設の制限はありません。
店舗の周囲に学校や病院、図書館といった保全対象施設があっても届け出ることが可能です。
建物の構造的要件
店舗の建物の構造にも細かな制限があります。
1 客室の床面積は、一室の床面積を9.5㎡以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。
2 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと(100㎝を超える衝立、間仕切り等を設けることはできない)
3 善良の風俗または清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと
4 客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。
5 営業所内の照度が20ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造または設備を有すること
6 騒音または振動の数値が法32条2項において準用する法15条の規定に基づく条例で定める数値(50デシベル)に満たないように維持されるため必要な構造または設備を有すること
①:店舗内に個室を設ける場合(VIPルームなど)にはすべての個室及び客室の床面積が9.5㎡(約2.87坪・5.86帖)以上にしなくてはいけません。
ただし、店舗内に個別の客室を設けない(客室が1室のみ)場合にはこの制限はありません。
②:客室内部に1mを超える高さの物を置くことができません。看板等はもちろん、背の高い椅子やテーブル、観葉植物、天井からぶら下げたカーテン等もこの規制に該当します。
③:店舗内にいやらしいポスター等の掲示やフィギュアの展示等が禁止されています。『どこからが風俗環境を害するの?』と聞かれてしまうと非常に判断に困るのですが、判断に迷うような微妙な内容の物は掲示しないほうが無難です。
④:客室……特に店内に個室などを設ける店舗の場合、そこに施錠設備を設置することが禁じられています。ただし、客室と店舗外が直接つながっているドアに関しては例外的に施錠が認められています。
⑤:営業所内の照度が20ルクス以下になってはいけません。そもそも”ルクス”という言葉を始めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんが、照度の単位です。
では20ルクスがどのくらいかというと、『10m先の人の顔、行動が識別でき、誰であるか分かる程度』の明るさと言われています。
市販で照度計が販売されていますので、これらを用いて測定してみると良いでしょう。
ちなみに、照度を計測する場所についても法令でしっかりと定められていますので、下記に従って計測を行ってください。
風営法施行規則 第100条 (深夜における飲食店営業に係る営業所内の照度の測定方法)
法第32条第2項において準用する法第14条の営業所内の照度は、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号に定める営業所の部分における水平面について計るものと
する。
1 客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある場合、当該設備の上面及び当該上面高さにおける客の通常利用する部分
2 前号に掲げる場合以外の場合
イ 椅子がある客席にあっては、椅子の座面及び当該座面の高さにおける客の通常利用する部分
ロ 椅子がない客席にあっては、客の通常利用する場所における床面(畳又はこれに準ずるものが敷かれている場合にあっては、その表面)
⑴テーブルがある場合にはテーブルの面
⑵テーブルが無い場合には椅子の座面
⑶椅子も無い場合には床面
で測定してください、ということです。
深酒の届出の流れ
1
物件の選定
深酒の届出には場所の要件があります。先述した内容に適合する物件を選定しましょう。
2
店内の内装を検討する
深酒の届出には店舗の構造要件もあります。先述した内容を全てクリアできる内装になるようにしっかりと検討しましょう。
3
飲食店営業許可の取得
飲食店営業許可の取得が必須となります。飲食店営業許可の取得に関するコラムはこちら
4
必要書類の収集、作成
飲食店の営業許可証を待つ間に、深酒の届出に必要な書類の準備も進めましょう。特に、図面関連は時間が掛るため、余裕をもって準備することをお勧めします。
5
届出を提出
書類の準備が終わったら管轄の警察署へ提出にいきましょう。営業開始日の10日前までに届け出る必要があるため、営業希望日から逆算して提出しましょう。
6
営業開始
届出は営業開始の10日前までにしなくてはいけません。逆に言えば届出を行ってから10日後から営業が可能です。それより前に営業しないように注意してください。
深酒の届出に必要な書類
□必要書類□
・深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書
・営業の方法
・営業所の周辺地図
・営業所平面図
・求積一覧
・営業所求積図
・客室等求積図
・音響、照明設備図
・住民票
・飲食店営業許可証のコピー
・履歴事項全部証明書(法人のみ)
・在留カードのコピー(外国人の場合のみ)
上記が必須の書類になります。
さらに、メニュー表、物件契約書のコピー、物件の使用承諾書などといった書類を追加で要求されることがあるので、念のために事前に用意しておきましょう。
深酒の届出でもっとも難関な部分はなんといっても図面関連です。
・営業所の平面図
・求積一覧
・営業所求積図
・客室等求求積図
・音響、照明設備図
これらは不動産屋等でもらえる間取り図とは求められている性質が違うため、一から自分で作図することが基本となります。
作図した内容と実際の店舗に差異がある場合には指摘の対象になるため注意が必要です。
ですので、作図の前にはレーザー測量機やコンベックスを使用して、店内の各部寸法をきっちりと測量しなくてはいけません。
弊所では、主にレーザー測量機やコンベックスを使用して実際の店舗を測量してから作図しております。

一応、手書きの図面であっても方眼紙等を用いてしっかりとした作りこみをすれば受け付けてもらうことはできますが、図面に求められる精度や修正のし易さなどを考慮するとパソコンでCADなどを用いて作図するほうが現実的です。
下の図面は、架空の店舗をCADで作図してみました。(想像で書いたので実際に存在しない店舗です)
深酒での届出ではこのような平面図の他に、各種求積図や音響・照明配置図が求められます。
慣れていない方にとって図面の作成はかなりの手間になると思いますので、ご注意ください。

もしご自身で図面を書く場合には、風営法特有の細かいルールがいくつもあるため、事前に調べてから作図を行いましょう。
(床面積の計算方法、床面積に参入する部分、客室や厨房の色や分ける部分等々)
費用
深酒の届出を行う際の申請手数料は0円になります。
ただし、住民票の取得費や営業所の周辺地図で株式会社ゼンリンの地図を使用する場合には、地図の取得費や複製許諾シール代などが別途かかります。
もし、飲食店の営業許可から取得する場合には、飲食店営業許可の申請手数料として印紙代が16,000円~19,000円程度(地域によって差あり)発生します。
また、飲食店の営業許可や深酒の届出を行政書士に依頼する場合には、行政書士依頼費用も発生します。
風俗営業許可との違い
ここからは少し余談となりますが…深酒の届出と似たような書類の提出が必要となる風俗営業許可(社交飲食店等)との違いについて軽くまとめてみたいと思います。
□手続き上の違い□
| 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出 | 風俗営業許可(社交飲食店) | |
| 人的要件の有無 | なし | あり |
| 保全対象施設の制限 | なし | あり |
| 営業可能用途地域(条例で例外あり) | 商業地域、近隣商業地域、工業地域、準工業地域 | 商業地域、近隣商業地域 |
| 実査(立ち合い検査) | なし | あり |
| 許可or届出 | 届出 | 許可 |
□営業内容の違い□
| 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出 | 風俗営業許可(社交飲食店) | |
| お酒の提供 | できる | できる |
| 接待行為 | できない | できる |
| 深夜営業 | できる | できない |
営業内容の違いを見て頂くと分かる通り、深夜における酒類提供飲食店と社交飲食店では出来る内容が異なります。
つまり、接待行為を行いたい場合には『社交飲食店の営業許可』を、深夜営業でお酒を提供したいならば『深夜における酒類提供飲食店営業開始届出』を行う必要があります。
原則として、同じ店舗でこの二つの許可と届出を同時に取得することはできないので、どちらの手続きをするかはしっかりと検討する必要があります。
(いうまでもありませんが、深酒の届出を出しているお店で従業員が接待行為を行えば当然、社交飲食店の無許可営業となり、重い罰則が科されます。同じように、社交飲食店の許可を得ているお店で深夜に営業を行えば届出違反となり、罰則が科されることになります)
まとめ
以上が深夜における酒類提供飲食店営業開始届出の一連の流れや必要な書類等の解説になります。
このコラムをご覧いただければわかるように、深酒の届出は提出書類の多さもさることながら、書類作成に専門知識や技術が必要(特に各種図面の作成)なため、初めて手続きをする方にとって、かなり大変な作業になるかと思います。
そんな場合には、風俗営業許可や深酒の届出を得意とする行政書士に一連の手続きを依頼してしまうのもひとつの手です。
行政書士は許認可申請、書類作成のプロです。行政書士に依頼することにより、慣れない書類の作成や行政とのやり取りで時間を消費してしまったり、不備の有る書類を提出して受理されなかったり、提出した書類の不備が後から発覚して営業開始後に行政指導を受けたりといった様々なリスクを回避することができます。
行政書士事務所オータムは静岡県西部(湖西市、浜松市、磐田市、袋井市、森町、掛川市、菊川市等)を中心に飲食店営業許可、風俗営業許可、深酒の届出等の取得を得意としており、これから飲食店の開業を目指している事業者様のサポートを行っています。もちろん、静岡県西部以外のご依頼も大歓迎です。
また、既存の飲食店経営者様の経営サポートにも力を入れております。法人化、資金調達、経営戦略、人脈紹介等々、飲食店経営者様のお悩みを解決するために全力でサポート致しますので、お困りの際にはお気軽にご相談ください!
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